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自動車の設計・開発における情報化

●設計・開発段階の情報化によるコスト削減
日本の自動車業界では、TQC(Total Quality Control)に代表される現場でのコスト削減が続けられていますが、コスト削減の余地は年々減少しています。さらなる大幅なコスト削減をめざすには、製造現場だけではなく、製品コストの70〜80%が決まると言われている設計段階からのコスト削減を行うことが一般的になっています。設計段階で製品の目標原価を決め、それを達成するための生産方法を前提とした設計を行う考え方です。
また、短いライフサイクル、多種・多様な製品と、流動的な市場に対応するためには、過去に製造された製品情報の検索・再利用・変更が容易でなければなりません。同時に設計や生産、販売などの部門間・関連企業間での情報共有が欠かせなくなりました。
JAMAでは、さまざまな技術、業務プロセス、企業文化、国境を越えてコラボレーションを容易にするべく、CADデータ交換、PDMデータ交換、CADデータ品質、CADデータ長期保存等の標準化と活用に取り組んでいます。

図6●自動車のコスト削減

 

■進化するCAD/CAM
CAD(Computer Aided Design)は「コンピュータによる設計支援」、CAM(Computer Aided Manufacturing)は「コンピュータによる製造支援」で、CAD/CAMシステムは、自動車などの工業製品の設計・製造において、欠かせないものとなっています。 一般的に設計に使われる図面は立面図・平面図・側面図の3面図を言います。これに対してCADは3次元空間上に針金細工のように線で物体を描き、描いた図形をあらゆる角度から表示することができます。これが3次元CADと呼ばれるものです。 製品の輪郭を線(ワイヤー)で表し、針金細工のようにワイヤーの組み合わせで表現したものを「ワイヤーフレームモデル」と呼びます。この製品の輪郭に、あたかも針金細工に紙を張り骨組みの間にある製品の表面を表現したものをサーフェスと呼び、複数のサーフェスで表現したものを「サーフェスモデル」と言います。 次に、製品の形をそのまま表現でき、3次元CAD図形の厚みや中身を持った図形で表現したものが、「ソリッドモデル」です(右図)。現在のほとんどの3次元CADがソリッドモデル機能を有しています。 CADデータはコンピュータ上のデータであり、実際に製品を作り出すためには、金型を作成する必要があります。金型の作成は、NC(数値制御)工作機械と呼ばれる装置で自動的に削り出すのが一般的です。CAMの重要な機能のひとつは、CADデータをもとにして、NC工作機械を動作させるための制御データを作り出すことです。NC工作機械は、XYZの3次元座標データをもとに、工具の刃先を自由自在に移動させ、金型を削り出します。

 

●CAD/CAMとコンカレント・エンジニアリング
自動車メーカーの設計・開発部門では、昔は紙に鉛筆や定規を使って図面を書き、社内外とやり取りを行い、図面に基づいて実物模型を作り、それに基づいてプレス型が加工されてきました。しかし、設計作業をコンピュータ上で行うCADの導入により設計の現場は大きく変わりました。
コンピュータによる作業では直線、曲線、正方形、円などの基本図形が簡単に描けるだけでなく、修正の際に必要な情報だけを表示し(層の表示・非表示)、修正事項を書き込むことも可能です。
そして、デジタル化されたCAD/CAMデータは、これまで設計→試作→解析→評価→型作製と、各工程部署で個別に入力・処理されていたデータを一元化し、関連するプロジェクトメンバーが同時並列的に仕事をするコンカレント設計を可能にしました。同時に設計・開発スピードは飛躍的に向上を遂げ、自動車の開発期間の短縮に貢献しています。
自動車の設計を3次元CADで行うと、実際には成立しない形状や部品同士の3次元的干渉検査、加工性や強度の解析、製品容積・重量の確認、製品形状評価ができ、さらには衝突、空気抵抗、冷却、騒音なども論理的にシミュレートが可能です。また、コンピュータ・グラフィックによる3次元モデルで各種の検討も可能です。
従来の新車開発プロセスでは、デザインを最終決定してから、試作型による開発試作車を作り、性能確認などからのフィードバックを取り入れて、正規の設計図を作成していましたが、最初から十分な開発品質の設計データを作成できるようになり、開発期間短縮や開発費用削減を図ることが可能となりました。
このように3次元CADは、さまざまな用途に活用することができます。
現在では社内に限らず、社外の取引先ともネットワークでデータの授受を行うことができ、自動車メーカーと部品メーカー間でデータ交換をしながら、連携して作業が行われるようになりました。

図7●設計時のCAD環境

CAE(Computer Aided Engineering:後述p.6コラム

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