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3.PDM(Product Data Management)の導入
設計段階においては、CADの導入によって期間が短縮されつつありますが、企業活動全体のスピードを速めるためには、CAD単独の利用では限界があります。CADデータを含めて設計部門で発生するすべての製品情報を一元的に管理しなければ、新製品開発のさらなる効率化は図れません。
自動車業界では、製品情報の一元化を行うツールとしてPDM(Product Data Management:製品情報管理システム)が注目されています。PDMは設計や製造部門のみならず、マーケティングや営業、保守サービス部門も情報を共有し、情報を交換しながら、製品に関わる情報とその処理プロセスを企画・開発の段階から製品寿命の終わりまで管理し、コンカレント・エンジニアリングを実現するためのツールとして期待されています。
現在、PDMの主要な役割は製品情報の統合一元管理と業務プロセス管理ですが、今後は製品のライフサイクル全般へと広がり、製品が企画されてから生産・廃止されるまでに発生するあらゆる情報を対象にしようとしています。
そしてPDMはその範囲を全社レベルからグループ企業や部品購入先企業などへと広げていくことでしょう。JAMAでは、PDM利用時のCADデータの共有・交換に最適な標準化の検討と3D図面の表示の検討をSASIGの場で行っています。

図10●PDMの統合システム

■CAEとは
CAEはComputer Aided Engineeringの略で、コンピュータを使った数値解析、シミュレーションという意味です。CAEの活用により、高価で手間のかかる試作実験ではなく、コンピュータ上で実車に近い評価を行い、コスト低減と開発期間の短縮を実現しています。
CAD/CAMなどの数値モデルを使ってCAEと結びつけ、さまざまな検討を行い、その評価が十分でなければCADに戻って形状変更を行い、実験の必要があればCAMを利用して数値モデルから試作品を作成し確認を行います。条件変更を繰り返して、容易に多数の設計案を比較検討できます。
また、製造における各工程を設計する際、そのプロセスをコンピュータ上でシミュレーションした後、製品に与える影響や製造装置の耐久性等を大まかに検討して、現場での試行錯誤の回数を減らすこともできます。
これらがまさに今のCAD/CAM/CAEのトータライゼーションであり、またCAEを取り巻く環境と言えます。
図11●CAEサンプル

図12:PDM導入のメリット

■デジタル・ファクトリー
図13●デジタル・ファクトリーのイメージ
自動車業界では、CAD/CAMの普及・活用がここ10数年間で設計・製造段階を中心に急速に進んできました。そして高価であったCAD/CAMの導入は、効率的な設計(並行設計・協調設計)と各種シミュレーション等を可能とし、効果を満足させるものでした。
現在では、設計時の3次元CADデータと各種ソフトを使い、コンピュータ内に工場を表現し、工場ライン設計や改善効果までも事前に検証できるようになり、生産工程設計のリードタイム短縮・精度向上がもたらされました(生産工程でのロボットの動作と設備の干渉、作業者の組み立て時の安全性・効率性などの検証も可能です)。
最初にこのプロセスが効果を上げ始めたのは、ロボットが多く導入されモデルチェンジの早い自動車メーカーの製造ラインでした。現在自動車産業は、デジタル・ファクトリーを実現するリーディング産業となっていると言えます。
まだJAMAの活動として取り上げられるには至っていませんが、欧米との協調の場では次期検討課題として話題にされています。

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