 |
|
しかしながら、税制上のインセンティブは実は諸刃の剣である。例えば、フランスでは、イタリアとスペインで販売を押し上げる要因となったインセンティブと同様の税制優遇措置が1996年10月で終了したために、販売台数は前年比19.7%減の171万3,000台と、過去20年間で最低の水準まで落ち込んだ。同じく欧州有数の市場であるドイツおよび英国では、市場は交錯した展開を示した。ドイツでは、失業の増加に伴う不透明感から前半は低迷したが、後半には回復をみせ、年間の販売台数は前年とほぼ同じ352万8,200台(前年比0.9%増)となった。英国ではこれより消費意欲が高く、217万700台(同7.2%)と、過去3番めの高い水準を達成した。英国で個人による購入台数が100万台を超えたのは初めてである。
フォルクスワーゲン(VW)・グループは、シェア17.2%と欧州最大の量産メーカーとしての地位を守った(図2)。VWの販売はモデルチェンジにより鈍りはしたものの、アウディ、シート、スコーダの各ブランドは好調に推移した。VWに続くのが、GM、フィアット、PSA、フォードで、4社は11.2〜12.1%のシェアを確保している。フィアットはイタリア国内市場の好況を受けて、販売を11.9%も伸ばし、フィアット・プントが欧州市場第1のベストセラーとなった。PSAは市場の平均を下回ったが、国内販売の低迷を欧州他市場への輸出で補っている。
税制上のインセンティブの実施と不透明な経済状況から、小型車へのシフトが加速している。欧州市場で販売の約28%を占め、最大のセグメントとなっているロアーミディアム市場は横ばい状態、ラグジュリー市場もきわめて好調なボルボS40/V40やBMW5シリーズを除いて後退した。これに対して、プジョー106、ルノー・トゥインゴ、フォードKaをはじめとする小型車は、25%増と顕著な伸びを示した。欧州市場で小型車が乗用車販売に占める割合は、1996年の16台に1台から昨年は10台に1台となった。また、スポーツカーおよびミニバン市場も新型車種の投入で好況を呈した。
|
| 図2 西欧乗用車市場における各メーカーのシェア |
 |
| 出典)ACEAによる |
|
| 表2 EUにおける日本製乗用車・商用車(5トン以下)の生産地別新規登録台数の推移 |
| (単位:台) |
|
1995 |
1996 |
1997 |
|
登録台数 |
市場シェア |
登録台数 |
市場シェア |
登録台数 |
市場シェア |
| 日本から輸入 |
829,803 |
6.4% |
837,774 |
6.1% |
932,112 |
6.4% |
| EU内で生産 |
503,613 |
3.9% |
549,187 |
4.0% |
615,104 |
4.3% |
| EU外の欧州で生産 |
9,260 |
0.1% |
28,488 |
0.2% |
35,814 |
0.2% |
| 北米で生産 |
30,705 |
0.2% |
25,714 |
0.2% |
16,787 |
0.1% |
| その他 |
27,952 |
0.2% |
40,076 |
0.3% |
56,338 |
0.4% |
| 合計 |
1,401,333 |
10.9% |
1,481,239 |
5.7% |
1,656,155 |
11.5% |
|
| 出典)ACEAによる |
|
前へ 7/17 次へ
|
|
 |