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特集/自動車と税金
自動車関係税制の現状について
- 自動車ユーザーの税制負担適正化を -

(社)日本自動車工業会 広報部

はじめに
 近年、自動車ユーザーの税負担額は急速に増え、10年前の約1.5倍になっている。
 わが国の自動車に関わる税金は、道路整備計画が更新されるたびに、新税創設や増税が繰り返され、1965年(昭40)に6種類であったものが、現在では9種類を数えている。
 また、税金の種類が多いことに加え、税収の入る先によって「国税」と「地方税」、さらには税収の使途に応じて「目的税」と「普通税」といったように、さまざまな性格づけがなされている。
 このように、わが国の自動車税制は極めて複雑で、ユーザーにとっても、難解なものとなっている。
 このなかには、どう客観的にみても「不公平さ」や「不合理さ」がある。問題は、これらのことが税制の複雑さ、難解さの陰に隠れてしまい、納税者たる自動車ユーザーに、なかなか見えてこないことにある。
 このような状況に加え、最近は、環境対策ということで、さらなる税負担増につながりかねない新たな税制度、いわゆるグリーン化税制を導入する動きもある。現状の過重な税負担と、複雑・難解な税体系をそのままにしてのグリーン化には、問題があると考えられる。
 現状においては、これら自動車関係諸税の抜本的な見直しを行うことが必要ではないだろうか。
 ここでは、自動車ユーザーの税負担の適正化の観点から、現在の自動車関係税制の現状と問題点について、整理してみることとする。

自動車には9種類もの税金が
 自動車には、その取得・保有・走行の各段階で、9種類の税金が課せられている。
 自動車を取得する(買う)際には、自動車取得税と消費税、また、自動車を保有しているだけで、自動車税、軽自動車税、自動車重量税、さらに、自動車を走らせるための燃料にも、揮発油税、地方道路税、軽油引取税、石油ガス税、消費税が課せられている。
 この自動車関連諸税の概要をまとめると、次の通りとなる。


■取得段階
(1)消費税…自動車の購入時に支払う税。施行は89年(平元)4月。消費税率が3%であった当初、登録乗用車には6%の税が課せられていた。その後、92年度(平4)に4.5%、94年度(平6)に3.0%となり、現在は購入価格に5%が課税されている。
(2)自動車取得税…これも消費税と同様、購入時の取得価格に課税されており、自家用車は取得価格の5%(暫定税率であり、本則税率は3%・後述)、営業用と軽自動車については3%となっている(50万円以下は免税)。68年(昭43)施行。道路損傷負担金的な性格をもつ、地方の道路特定財源として課税。


■保有段階
(3)自動車税…毎年、4月1日現在での自動車保有者に対し、定額で課税される。乗用車の税額は排気量に応じて10段階に分けられ、自家用車の場合は、年間29,500〜111,000円である(例えば1,001〜1,500ccの乗用車は、年34,500円)。創設は、40年(昭15)の道府県税に遡る。固定資産税的な性格と、道路利用の便益負担ならびに道路損傷負担の性格を併せもつ税。一般財源に充てられる。
(4)軽自動車税…自動車税と同じく、4月時点での軽自動車の所有者に課せられる税。税額は軽四輪自家用乗用車で年間7,200円。58年(昭33)に自動車税から分離独立した。
(5)自動車重量税…車検の際、その重量に応じて課せられる。税額は自家用車の場合、0.5トンごとに年間6,300円である(暫定。本則税率は2,500円)。71年(昭46)施行。道路、その他交通社会資本の充実のため、受益者負担の原則により課税する道路損傷税。使途は国税分が4分の3(このうち80%が道路特定財源)、残る4分の1が地方道路特定財源である。


■走行段階(燃料への課税)
(6)揮発油税…自動車を走らせる際のガソリンに課税される。1l当たり48.6円(暫定。本則は24.3円)。道路損傷負担として課税される、国の道路特定財源である。創設は戦前で、49年(昭24)に復活、53年(昭28)に道路特定財源となる。
(7)地方道路税…揮発油税と同様、ガソリンに課税される。1l当たり5.2円(暫定。本則は4.4円)。使途は地方の道路特定財源。
*ガソリンに課せられる税金は、(6)と(7)の合計で、1l当たり53.8円となる。
(8)軽油引取税…軽油に課税される。1l当たり32.1円(暫定。本則は15円)。56年(昭31)創設。道路損傷負担として課税される、地方の道路特定財源である。
(9)石油ガス税…LPガスに課税される。1kg当たり17.5円。65年(昭40)創設。道路損傷負担として課税され、使途は国50%・地方50%の道路特定財源。
*なお、上記走行段階の各燃料に対しては、別途消費税として、価格の5%が課せられている。

表1 自動車関係諸税の概要

暫定税率(増税)の据え置き延長
 9種類ある自動車関係税のうち、自動車取得税、自動車重量税、燃料税…揮発油税、地方道路税、軽油引取税の5つの税金は、本来の税率ではなく、暫定的に高率の税が課せられている。これらは、いずれも道路特定財源として、道路整備に充当されることになっているが、これまで幾度も道路整備計画時に、その不足財源確保のために暫定的に増税されてきたものである。
 例えば、自動車取得税の本則税率は3%であるのに対し、74年(昭49)から5%の暫定税率が適用されており、自動車重量税も本則は0.5トンごとに年間2,500円であるが、74年から年間5,000円、76年からは年間6,300円と、本則の2.5倍もの暫定税率が適用されている。また、ガソリン税は1.87倍という重税となっている。
 これまで、道路整備計画の更新等により、暫定税率の適用期限がくると、その都度、暫定措置として税率ならびに適用期限を延長してきているが、自動車取得税やガソリン税等をみると、74年(昭49)から25年もの長期にわたって“暫定”が続いている。
 さらに、その“暫定”の予定期限は、2003年(平15)となっている。早々に本則へと戻す正常化が望まれる。

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