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特集 地球温暖化対策の取り組み

自動車産業の地球温暖化対策
〜自工会の取り組みの現状と今後〜

自工会 環境統括部

はじめに

 自工会は、1997年に採択された『京都議定書』の「今まで多くのエネルギーを消費してきた先進国が率先して地球温暖化対策を推進する」という精神を支持し、温室効果ガス削減目標達成のために、その与えられた役割を果たしていくという姿勢の下、地球温暖化対策の推進に取り組んできている。
 今年(2002年)見直しが行われ、新たに策定された地球温暖化対策推進の「新大綱」でも、「エネルギー起源の二酸化炭素排出抑制」について、産業部門、民生部門、運輸部門の3部門における省エネルギー対策が見直されている。このうち、自動車と関わりの深い運輸部門においては、
・自動車単体対策(燃費向上、低公害車の普及)
・交通流対策(ITSの推進等)
・物流対策(物流の効率化等)
などの項目ごとに削減目標数値が見直された。
 また、産業部門での取り組みも対策の柱として掲げられており、その内容としては、
・経団連の『環境自主行動計画』の実施
・省エネルギー法に基づく工場対策
が挙げられている。
 自工会は、京都議定書を踏まえた政府の温暖化対策推進大綱の趣旨に沿って、対策を推進しているところであり、本稿では、その具体的な取り組み内容について概説したい。

1.新大綱における運輸部門の目標

 新大綱の運輸部門における削減目標は、1,240万トンC(炭素換算ベースの値/新大綱ではCO2換算表示となり4,530万t-CO2となる。炭素換算の数値をおよそ3.66倍するとCO2換算となる)である(図1)。
 自動車単体に関わる削減目標は1,870万t-CO2となり、その内訳は燃費基準達成車の加速的導入によって1,540万t-CO2、低公害車の普及で330万t-CO2である。
 交通対策による削減目標は98年大綱では310万t-Cであったが、情報通信と合わせて390万t-C(1,410万t-CO2)に変更された。
 物流の効率化については、250万t-C(910万t-CO2)で、削減目標値に変更はない。
 さらに、新規項目として、営業自動車対策が掲げられ、アイドリングストップ装置の普及やスピードリミッター装備などにより50万t-C(190万t-CO2)を削減する目標が立てられた。
 また、ライフスタイルに関しては、運輸部門とは別項目の「革新的技術開発と国民各界各層の活動」で扱われることとなった。

図1 運輸部門の目標(内訳)

図2 ガソリン乗用自動車燃費目標基準値/車両重量別(平均向上率22.8%)

2.2010年度燃費目標達成に向けた取り組み

1)温室効果ガス排出量低減のカギとなる
  燃費の向上
 製造段階−使用段階−リサイクルという自動車の生涯エネルギー消費のなかで、最も多くエネルギーを消費しているのは、自動車を使用する段階であり、平均で全体の85%を占めている。
 従って、この段階で最も多くエネルギー起源のCO2が発生しているということであり、自動車の生涯CO2排出量抑制のためには燃費の向上が重要な要素となる。
 燃費の向上は、自動車メーカーにとって最も重要なテーマのひとつであり、各メーカーでは従来から積極的に技術開発等を行い、大幅な燃費の向上を実現してきている。
2)自動車単体の燃費目標の現状
 京都議定書に基づいて、98年に省エネルギー法が改正され、ガソリン自動車ではトップランナー方式(省エネルギー基準を、現状の機器のなかで最高の効率値に設定する方式)による、大幅に強化された2010年度燃費目標が設定された(図2)。
 これは、95年度における燃費の実績値(車両重量別)を基準にして、平均で22.8%(ガソリン乗用自動車)向上させるというもので、この厳しい目標に対して自動車メーカー各社は、その達成に向けた最大限の努力を続けている。
 現在、数メーカーにおいては2005年における目標達成を表明しており、その他のメーカーでも早期投入が表明されている。
 こうした各社の取り組みにより、自動車の燃費は確実に向上してきている(図3)。
 同様に、ディーゼル自動車に関しても、平均向上率14.9%という、新たな2005年度燃費目標が設定され、こちらも厳しい目標達成のために取り組みを続けているところである。
3)燃費と排出ガス
 新大綱では、自動車燃費のトップランナー基準適合車の加速的導入が掲げられているが、自動車は、この燃費目標を達成すると同時に、2005年度から始まる排出ガス規制強化にも対応しなければならないという状況にある。
 燃費と排出ガスとは、トレードオフの関係(一方を良くするともう一方が悪くなるという関係)にあり、この両立をめざすには、新たなエンジン技術の開発等が必要である。
 自動車メーカーでは、新技術・新システムの採用を進め、新大綱で示された自動車単体燃費改善によるCO2削減目標(1,540万t-CO2)の達成に向けた取り組みを着実に進めていく。ちなみに、2010年度燃費目標達成車は、2000年度における乗用車出荷台数の約35%(162万台)を占めている。
 また、2010年度燃費目標を達成し、低排出ガス車認定制度*1に適合した車も約20%(84万台)に上っている。

図3 向上しているガソリン乗用自動車の平均燃費推移

図4 低公害車(クリーンエネルギー車)の普及台数推移 (単位:台)

*1低排出ガス車認定制度:2000年4月から実施されている制度で、現在の排出ガス規制値より25%以上低減化された自動車を指す。低減率によって25%以上であれば「良・低排出ガス車」、50%以上は「優・低排出ガス車」、75%以上は「超・低排出ガス車」の3段階に区分されている。

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