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●価格から見た不公平。

 通常、税金をかけるときに「担税力」という言葉が使われます。「税金を負担することができる能力」という意味です。この考え方の背景には、「税金を払う能力に応じて、税金を払う。」ことが公平だという考えがあります。例えば、物を買うときには、物の値段に比例して消費税を払ってもらう。こういう考え方に立って、消費税は成り立っています。
 自動車重量税が一般財源化されると、ものすごくおかしなことが発生します。
 1800cc(車両重量1〜1.5トン)の車両の自動車重量税は、年間1万8,900円です。
 しかし、同じ重量税の車でも値段には、大きな開きがあります。三菱のコルトの105.4万円から日産のフェアレディZの372.0万円まで、4倍近い開きがあります。もっとおかしいのは、日産のセレナの値段は、202.0万円とフェアレディZより安いにもかかわらず、車両重量が重いために、より多くの自動車重量税を払わなければなりません。つまり、担税力(価格)と車両重量が比例していないため、このような「不公平」が生じてしまうのです。

[乗用車の車両重量別価格]

●車を持っている人と、持っていない人の不公平。都市と地方の不公平。

 また、車を持っている人と、持っていない人の間の不公平もあります。一般財源化をすることは、車を持っている人から、持っていない人に所得が移転することになります。町内会で、防犯のため街路灯を建てることにしたとしましょう。その支出に当てるために、ある家庭からは分担金を取って、ある家庭からは取らないというと、だれでも不公平だと思うでしょう。それと同じことです。
 まして、地方には、公共交通機関が整備されていないために、一家で2台も3台も車を持たざるを得ないような人が沢山います。これらの人々が税金を払い、地下鉄が整備されている都心に住み、車を持たない人が税金を負担しないという不公平が起きるのです。

[市町村別普及状況]
上位10市町村
下位10市町村

都道府県 市郡区 1 世帯
あたり台数

都道府県 市郡区 1 世帯
あたり台数
1 茨城県 千代川村 3.929 1 東京都 中野区 0.294
2 愛知県 飛島村 2.890 2 東京都 豊島区 0.304
3 茨城県 旭村 2.431 3 鹿児島県 十島村 0.321
4 茨城県 大和村 2.415 4 鹿児島県 三島村 0.321
5 群馬県 小野上村 2.403 5 東京都 新宿区 0.324
6 栃木県 芳賀町 2.392 6 東京都 北区 0.332
7 福島県 白沢村 2.333 7 東京都 文京区 0.346
8 埼玉県 川本町 2.323 8 東京都 荒川区 0.351
9 栃木県 湯津上村 2.319 9 東京都 品川区 0.356
10 富山県 下村 2.303 10 東京都 杉並区 0.364

●「自動車の税負担は国際的に見て高くない」という議論は間違っています。

財務省(政府税制調査会)がこうしたキャンペーンを行っています。財務省は付加価値税を含め、全体額で試算の上、諸外国と比較しております。

 しかし、今、議論しているのは、道路特定財源としての「自動車重量税」であり、「揮発油税」なのです。自動車固有の税でもない付加価値税を加えて比較することにどういう意味があるのでしょうか?
比較は、総額ではなく、取得、保有、走行の各段階で検証する必要があります。なぜなら、総額の比較では、ユーザーによって、所有している自動車の「価格」、「排気量」、「重量」や「走行距離」などが異なり、公平な比較にはならないからです。

グラフ

[1]取得段階での比較

  • 消費税・付加価値税を除いた、純粋に自動車に課せられる税では、日本が極めて高くなっています。

税負担国際比較(取得段階:1年目)

[2]保有段階での比較

  • フランスは保有課税は0、日本は、イギリスの2倍、ドイツの3.2倍、米国の16倍と高くなっています。
  • 諸外国には自動車重量税は存在しません。(なお、フランスでは車両総重量12トン以上の、本当に道路を損傷するような重い車両に対して存在します。)

税負担国際比較(保有段階:1〜11年)

[3]走行段階での比較

  • 燃料課税(除く、付加価値税)は、米国を除いて欧米諸国より低くなっていますが、「有料道路料金」を含めれば、欧州諸国とほぼ同等となっています。

税負担国際比較(走行段階:1〜11年)

●そもそも自動車には、過重な税金がかかっています。自動車に関する税体系全体を見直すべきです。

 100万円のダイヤモンドを買った人には、5%の消費税しかかかりません。ダイヤモンドを所有しているからといって、税金がかかるわけでもありません。
 ところが、自動車には、買ったとき(取得税)、保有しているとき(自動車重量税、自動車税、軽自動車税)、走らせたとき(揮発油税など)のそれぞれで、さまざまな税金が課せられます。180万円の自動車を買うと、11年間でこれらの税金が合計で約150万もかかるのです。 
 自動車が贅沢品であった時代であればともかく、今日、自動車を贅沢品だと思っている人はいないでしょう。国際的に見てもきわめてアンバランスな税体系になっているのは、前に述べたとおりです。
 道路特定財源を一般財源化するのであれば、その論理は何か、一般財源としての税はどうあるべきかの基本論が必要になってきます。政府も「歳出・歳入の抜本改革」の中で、「税体系全体にわたってあらゆる角度から見直す」と言っています(注)。その中で、自動車に関する税体系全体を見直す抜本的な議論をすべきです。

《乗用車にかかる税金の総額(保有期間11年間合計)》
[車両価格 1,800,000円]
税金 自動車重量税 207,900円  
自動車取得税 81,000円
消費税(車体分) 90,000円
自動車税 434,500円
揮発油税 549,000円
地方道路税 58,700円
消費税(燃料分) 67,400円

合計 1,488,500円
  1,855,020円 (有料道路料金含む)
(前提条件:1800cc、車両重量1.5トン未満、走行距離約1万km/年)

(注)(参考)第164回国会における施政方針演説
公正で活力ある社会にふさわしい税制の実現に向け、国民的な議論を深めながら、消費税、所得税、法人税、資産税など税体系全体にわたって、あらゆる角度から見直しを行ってまいります。

(社)日本自動車連盟(JAF)http://www.jaf.or.jp
自動車税制改革フォーラムhttp://www.motorlife.jp

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