No.80 乗用車の複数保有化は市場をどう変えるか
1998年末のわが国の乗用車市場は保有5,000万台で、複数保有構造化が進んでいる。このことはポスト不況時代の市場動向にも大きな影響を与えるとみられる。自工会「平成10年度乗用車市場動向調査」より、その複数化の実態・影響等の概要をレポートする。
1.一家に2台保有の時代へ
2.2台目を選ぶ理由
3.今後の複数保有を左右するもの
4.複数保有が乗用車市場に与える影響
[主な内容]
●わが国の複数保有状況は、統計では自動車全体で一世帯当たり1.5台の比率となっている。この調査でも全世帯(非保有世帯も含む)の3割弱が乗用車を複数保有している。複数保有率の高いのは、三世代同居世帯と、子供が18歳以上の50代、及び30代以下の妻が働いている世帯である。保有の2台とも新車比率は57.1%、中古車比率が増えつつある。2台目の購入車は、小回り性等が理由で軽自動車が多くなっている。組み合わせとしても「RV―軽」が増えている。
●2台目を使うのは、世帯主が40代までは妻、50代以上では子供である。2台目を買ったきっかけは「運転者が増えた」からが半数以上、「買い物用足し用に」が続く。複数保有化の進展で、RVの1台目としての台頭、軽自動車の増大、セダンの組み合わせ等変化が生じている。
●今後の複数保有化の進展に影響を与えるものとしては、人口動態・世帯形態・就業構造等の社会環境変化がある。
●将来の代替え時点の重視項目としては、価格や燃費、安全性、環境対策等付加価値が指摘されている。今後複数保有が大幅に拡大しそうな層は、30代・20代以下とも子有り・妻就業世帯と、60代夫婦のみ世帯である。複数保有率やその拡大ペースは世代・世帯別に異なっており、それにより乗用車市場全体も質的に影響を受け、多様に変化していく。