No.86
盗難車対策について
近年自動車の盗難事件が増大しつつある。これは二次的犯罪を助長する危険性をはらむ事態でもあるため、効果的な盗難防止策が望まれている。
この号では、盗難の実態や業界の技術的対応状況をレポートする。
- 自動車盗難の現況
- 諸外国の自動車盗難
- 盗難防止対策の歩み
- イモビライザーとは
- 自動車業界の対策の現状
- 盗難対策の今後の課題
〔主な内容〕
●四輪車の盗難はここ10年ほど年3.5万件で推移していたが、平成11年になって4.3万件に急増した。被害は大都市、駐車場で多い。その背景には、「キーなし」車の窃取増加等犯罪技術の巧妙化や日本人の安全意識の低さ、盗難車の海外流出等犯罪の質的変化が窺える。二輪車の盗難は四輪車の6倍で年24万件。「キーなし」が8割弱。原付が8割弱、検挙者は少年が多い。
●欧米の自動車盗難は非常に多く、保有台数当たりではアメリカが日本の14.5倍弱、ヨーロッパは16倍強もある(1995年)。日本はそれだけ安全・安心国家とみられ、ユーザーも高度な盗難防止装置の必要を感じていない。
●わが国の自動車盗難対策は、昭和61年から本格化し、キーの種類、シリンダー強度、ピッキング対策等々から始まり、平成元年対策、同9年対策等々と進められている。諸外国でも年々対策が進み、1997(平成9)年には、EC指令としてイモビライザー(電子式移動ロック装置)の装置義務付けが決定した。
●イモビライザーは、現今では最も進んだ盗難防止装置であり、わが国では平成9年に装着車第1号が発売されて以来、現在では3社・14車種が装着している。
●平成12年3月、自工会はさらなる対策として「自動車及びオートバイ盗難防止対策」の推進・強化策を発表している。
●今後の課題として、相変わらず多い「キー付き」駐車盗難撲滅のための啓発活動、盗難防止装置装着車への優遇措置、盗難データの収集・提供、海外流出防止等総合的対策が望まれる。