JAMA 一般社団法人日本自動車工業会Englishヘルプサイトマップ   
自工会の概要リリース/会見データファイルライブラリー
ホーム > ライブラリー > JAMAレポート > No.91

2.「道路」特定財源制度の概要

●使いみちを「道路」に「特定」した財源制度とは
 道路整備事業は、一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業の3つに分類されており、通常一般道路事業は、国費と地方費によりまかなわれる。平成14年度予算ベースでは、国費の道路投資額の95.0%、地方費の道路投資額の69.4%が自動車ユーザーの負担する自動車関係諸税でまかなわれている(図2)。
 この道路目的税というのが「道路特定財源」と言われる税である。国税の自動車重量税、揮発油税、地方道路税、石油ガス税、地方税の自動車取得税、軽油引取税、がそれである(表1)。
 道路特定財源制度は、わが国の立ち遅れた道路を緊急かつ計画的に整備するために、受益者負担=「応益主義」に基づいて課税し、その税収を道路整備の財源として充当する制度であり、昭和28年に揮発油税が道路整備の特定財源とされたことに始まる。
 その後、昭和29年に第1次道路整備五箇年計画が策定されて以来、わが国の道路整備は自動車ユーザーの税金を財源に、12次にわたる五箇年計画に基づき着実に進められてきた。

図2 国費と地方費の道路投資額の財源
1)国費(平成14年度予算・総額約3兆5千億円)


注:自動車重量税収の3/4の8割相当が充当されている。但し、14年度はこのうち2,247億円が未充当であった。

2)地方費(平成14年度予算・総額約6兆円)

●道路特定財源制度の特徴と今後
 このように道路特定財源制度は受益者負担・損傷者負担を基本理念としており、揮発油税や地方道路税は従量税方式で走行距離(=道路整備による受益) に応じて費用を負担するのに対し、自動車重量税は損傷者負担の考え方で自動車の重量(=道路損傷度) に応じて課税されるようになっている。
 また制度的特徴としては、以下の通りである。
(1)利用者が便益に応じて費用負担するため、「公平性」を持つ。
(2)道路は長期的・計画的整備が求められるが、景気政策や財政事情の影響を受けない本制度は、安定的な財源確保ができる「安定性」を持つ。
(3)利用者負担がすべて道路整備に充当されるという「合理的」で明快な制度であるため、納税者の理解が得られやすい。
 ところが、昨今、国の抜本的構造改革推進の下に、公共事業における無駄や、国の歳入不足という財政事情等から、この特定財源制度そのものの見直しが叫ばれている。
 わが国の道路は、すでに一定の量的ストックは形成されており、今後の道路整備は、渋滞緩和や環境負荷の低減に資する環状道路の整備など峻別し、重点的・効率的に投資していくべきである。今後の道路特定財源制度は、道路投資(使いみち)の峻別とコスト削減を図りつつ、その後道路整備の進捗状況に応じて特定財源の暫定税率を廃止するなどその役割や負担のあり方について不断の見直しが行われるべきである。
 平成14年度予算において、道路特定財源のひとつである「自動車重量税」の一部(2,247億円)が道路整備に使われずにオーバーフローし、一般財源として道路整備以外に使われる事態が発生している(図3)。
 さらに、道路特定財源について、本来の目的や経緯を無視し、一般財源として道路以外の使途に流用しようという議論に対しては、納税者である自動車ユーザーの理解を得られず、到底受け入れられない。

図3 平成14年度予算における自動車重量税のオーバーフロー (単位:億円)

──────

← 前へ 2/7 次へ →

Copyright (C) Japan Automobile Manufacturers Association, Inc.