No.91
自動車の税金について
自動車ユーザーが負担した税金で、わが国の道路建設を目的とする「道路特定財源制度」について、その使途を道路整備以外に拡大したり、財政難の折から一般財源へ転用せよ等の議論がユーザー不在のまま行われている。そこで現今の、複雑・多岐、不公平な自動車税制と、そこでの道路特定財源制度の実態をレポートする。
- 多すぎる自動車の税金
- 「道路」特定財源制度の概要
- 自動車重量税は道路財源
- 高い税額・税率と長期にわたる暫定措置
- ユーザーの声:道路特定財源を道路以外に使うならば、まず減税すべき
- 低公害車等の普及・促進にはインセンティブ税制の確立
- 税制改革への提案
〔主な内容〕
●自動車の税金は9種類もあり、複雑・多岐、かつ暫定税率が30年近くも続く不公平さを持っている。その納税額は9.1兆円にものぼり、租税総収入の1割を占めている。
●道路特定財源は、道路整備による「受益」(走行距離)や道路損傷(重量)に対して自動車ユーザーに特別に課税されている。その税金の使途は道路建設に特定されているものであり、道路特定財源の一般財源化は信義にもとるもので、自動車ユーザーを欺くものである。
●一般財源として扱われている自動車重量税は道路整備のために自動車ユーザーに負担を求めているものであり、税収の4分の1は地方の道路整備目的費用、残り4分の3の8割が国の道路目的税である。一般財源だから使途は自由との論は立てられない。
●自動車関係諸税は本則税率の上に暫定的な高税率(2倍前後)が課せられている。これは国の累次にわたる道路整備5箇年計画推進による財源不足を名目に、長期に暫定措置が続いている。道路整備のストック形成が達成され、使途拡大や一般財源化が行われている現状から鑑みれば、まず暫定税率を廃止すべきである。
●自動車ユーザー不在の自動車税制に対して、ユーザーは「道路整備のために負担した税金が道路に使われないのであれば、税負担軽減(減税)すべき」、あるいは「暫定税率を廃止すべき」と考えている(JAF調査)。
●自動車にとって地球温暖化・大気汚染など環境問題への対応は最重要課題である。「環境税」が論議されているが、現行の過重な税負担や複雑な税体系のままでの導入には問題があり、低燃費・低公害車へのインセンティブ(減税)型とすべきである。
●わが国の自動車関係諸税は、欧米に比べ負担が重く複雑な体系である。速やかに簡素・軽減を図るべく、税のあるべき姿として、消費税との二重課税となっている自動車取得税や自動車重量税の廃止など、取得・保有・走行の各段階で1税目とすべきである。