JAMA 一般社団法人日本自動車工業会Englishヘルプサイトマップ   
自工会の概要リリース/会見データファイルライブラリー
ホーム > ライブラリー > JAMAレポート > No.95

1.EUの巨大な自動車市場と日本の自動車メーカー

●巨大なEU市場−新車販売
 2002年のEU15ヵ国における四輪車の販売台数は、乗用車・商用車を合わせ1,565万台である。これは、米国の1,714万台にほぼ匹敵し、日本の579万台の2.85倍にあたる、非常に大きな市場である(図1)。
 この市場において独、仏、伊の主要な欧州メーカーに、米系、日系メーカーも加わり、熾烈な競争が展開されている。現在、EU市場において販売活動を行っている日本の自動車メーカーは9社である(トヨタ、日産、ホンダ、三菱、スズキ、ダイハツ、いすゞ、富士重工、マツダ)。
 また、日系車(日本及び第三国からの輸出車と日本車の現地生産車)の2002年における販売台数のシェアは11.3%であり(図2・西欧州18ヵ国)、米国における日系車のシェア27.7%に比べると非常に厳しい状況にある。
 四輪車保有台数(2001年・EU15ヵ国)は2億1,185万台で、米国の2億2,345万台にはわずかに及ばないものの、日本の7,341万台の2.8倍であり、膨大な代替母体を持っている市場である(図3)。

図1 EU・日・米の四輪車販売台数推移(単位:万台)

出典:『2003 日本の自動車工業』自工会

図2 西欧州市場におけるメーカーシェア/2002年
(西欧州18ヵ国=EU15ヵ国+スイス、ノルウェー、アイスランド)


出典:ACEA統計

図3 EU・日・米の四輪車保有台数/2001年(単位:万台)

出典:『世界自動車統計年報 2003』自工会

●欧州における日本の自動車メーカー
 このように巨大なEU市場を背景に、日本の自動車メーカーは、欧州において生産、R&D、経営部門で30,300人を直接雇用し、さらに正規ネットワークを通して供給、販売、サービス業務で163,000人を間接的に雇用している。
 このように、自工会メンバーは、欧州で19万人以上の雇用を創出し、現地経済の活性化に大きく寄与している。
 日本車メーカーが欧州市場で自動車販売を始めて30年以上となるが、この間1970年代には、対日輸入制限(RQ)の残存や日本車シェアを抑制したりする公式・非公式の国別規制、また80年代のEU委員会による輸入監視制度やモニタリング措置、及び1993年にスタートした日・EC自動車合意に基づく制限が1999年末まで続くなど、日本車は欧州市場において不利な環境を強いられてきた。数量制限に加え、乗用車に対しては10%(米国:2.5%)という先進国では高い関税が課され、欧州市場で最も大きなセグメントである小型・ミニクラスにおいて、本格参入が出遅れる結果となった。

●自動車市場に対するEU委員会の姿勢
 EUにおいては、自動車は競争法(独禁法)上の問題となることが多く、EU委員会でも、自動車を中心に担当する特別の部門を設け、常に監視の目を光らせている。
 EU委員会の基本的な方向性については、以下のように述べられている。
 「自動車販売及びサービス部門の競争を促進させ、真の統一市場の創設により、メーカーのみならずサービス業者、消費者など、すべての当事者が恩恵を受けられる政策を推進する」。

●EU自動車市場の特徴
 EU市場は各加盟国間で嗜好、購買力、需要が大きく異なっていたり、販売網に適用されている各国の規制枠組みが、多くの点で互いに異なり、それがメーカーの販売政策と消費者の購入パターン、課税前の製品価格などに強く影響しているという特徴がある。特に、自動車税制や商品の開発費用により小売価格の差が生じている。

●新規則の狙い
 巨大なEU市場における自動車の販売競争は熾烈であり、自動車メーカーにとって、その販売・流通戦略は極めて重要である。
 そのため、このたび行われた流通規則の改正には、どのメーカー・サービス関係者も特別な注意を払っていた。
 EUでは、各国間における自動車税の相違について以前から指摘され、域内の自動車の価格差が大きな問題とされていた。
 これまでの制度では、メーカーが販売店に対して、販売車種や営業地域を制限することが可能であったが、今回の改正は、これまでのテリトリーなどを定めた専売チャネルを解体するもので、テリトリー外の販売店への営業制限が禁止され、販売店はすべてのメーカーの車種を、どこの地域でも取り扱えるようになった。これはEUにおける自動車販売の競争を一層促すとともに、域内の自動車価格差を縮小させようとしたものである。
 新規則は、スーパーマーケット型の店舗やインターネットによる新車販売を可能にし、自動車の修理業者や補修部品についても、消費者がより自由に選べるようになることを狙いとしている。

──────

← 前へ 1/5 次へ →

Copyright (C) Japan Automobile Manufacturers Association, Inc.