JAMA 一般社団法人日本自動車工業会Englishヘルプサイトマップ   
自工会の概要リリース/会見データファイルライブラリー
ホーム > ライブラリー > JAMAレポート > No.95

2.EUの競争法と適用除外規定

●EU競争法(独禁法)の基本的姿勢
 EUがめざしているのは、加盟国間の全域において、人・物・資本及びサービスが自由に移動でき、企業間の競争が自由に行われる単一の域内市場が形成されることである。
 ただ、そこで競争が激化するあまり、逆に、特定の消費者が質の高いサービスを得られなかったり、安全性や環境面で悪影響を受けるなど、EUの市場統合理念に反する結果が生じてはならない。
 そのためEUでは「自由だが節度ある競争による経済の活性化」を競争政策の重要な柱のひとつとして位置づけている。

●競争制限行為の禁止と、その適用除外規定
 EUの競争法は、1958年発効のローマ条約が根拠法となっており、域内の市場に影響を与える競争制限行為を禁止している。
・第81条1)…競争阻害行為の禁止
・第82条1)…支配的地位の濫用の禁止
 ただし例外措置として、上記81条第3項において、その適用除外が規定されており、この規定に基づいて、1984年12月にEU委員会は自動車流通制度を対象とする規則2)(競争法の一括適用除外=Block Exemption)を採択した(表1)。


1)1999年5月1日に発効したアムステルダム条約第12条の規定により、旧第85条が第81条に、旧第86条が第82条にと、条文番号が変更されている。
2)その当時採択された規則123/85は、1995年の改正により、規則1475/95に変更された。

表1 EU競争法の規制 <概要>

■競争制限的協定等

・禁止
 事業者間の協定、事業者団体の決定及び協調的行為であって、加盟国間の取引に影響を与えるおそれがあり、かつ、共同市場内の競争の機能を妨害・制限・歪曲する目的を有し、またはかかる結果をもたらすものは禁止される。この禁止規定は、競争事業者間の協定のみならず、メーカーと販売業者間の協定(=垂直的協定)にも適用される。禁止される協定の例として、規定上、次のものが挙げられている(第81条第1項)。

  1. 価格協定
  2. 生産、販売、技術開発または投資に関する制限または規制
  3. 市場分割
  4. 取引の相手方を競争上不利にする差別的取扱い
  5. 抱き合わせ契約
  6. 再販売価格維持行為

・適用除外
 商品の生産・販売の改善または技術的・経済的進歩の促進に役立ち、かつ、消費者に対しその結果として生じる利益の公平な分配を行うものであって、次の各号の一に該当しない協定等は適用除外とすることができる(第81条第3項)。

  1. 前記の目的達成のために必要不可欠でない制限を参加事業者に課すこと。
  2. 当該商品の実質的部分について、参加事業者に競争を排除する可能性を与えること。
    (略)

 なお、欧州委員会が定めた一括適用除外規則は次のとおりである(いずれも期限つき)。

  1. 技術移転契約に関するもの(240/96、2006年3月末満了、従前の特許に関するもの及びノウハウに関するものを統合した規則)
  2. 自動車販売に関するもの(123/85→改正1475/95、2002年末満了)
  3. 専門化協定に関するもの(417/85、2000年末満了)
  4. 研究開発協定に関するもの(418/85→一部改正151/93、2000年末満了)
  5. 国際海運分野におけるコンソーシアムに関するもの(870/95、2000年末満了)
  6. 保険業に関するもの(3932/92、2003年3月末満了)
  7. 垂直的協定及び協調行為に関するもの(2790/1999、2010年5月末満了)

──────

← 前へ 2/5 次へ →

Copyright (C) Japan Automobile Manufacturers Association, Inc.