自工会リリース

自動車用ディーゼル機関潤滑油のJASO規格の普及活動開始について

平成12年10月10日

JASOエンジン油規格普及促進協議会

 JASOエンジン油規格普及促進協議会(以下 協議会)はJASOエンジン油規格を適正に運用し、国内外に広く普及させることを目的にエンジンメーカー及びエンジン油に関連する業界団体や学会等が協力して平成6年4月に設立され、現在までJASO 2サイクルエンジン油規格及びJASO 4サイクルエンジン油規格の普及活動を行ってまいりました。

 この度、協議会は新らたに自動車用ディーゼル機関に用いられる、自動車用ディーゼル機関潤滑油−JASO DH-1(JASO M355:2000)の性能分類表示に関する自己認証制度を開始することとし、これに基づき、ディーゼルエンジン油メーカーは平成13年4月よりJASO DH-1ディーゼルエンジン油の性能分類表示を行うこととなりました。 これまで、日本では自動車用ディーゼルエンジン油の品質規格としてAPIサービス分類が一般 的に用いられてきました。しかし、日米エンジンの設計上の違いにより日本製エンジンにより適合するエンジン油が求められております。例えば、日本で普及している大部分の自動車用ディーゼルエンジン油にはすべりタイプの動弁系の摩耗防止性能の強化などAPIサービス分類には無い特別 な性能が付加されています。また、自動車メーカーからは、近年の排出ガス規制対応エンジンに適合する新らたなエンジン油の品質規格設定の要望が出されています。 一方、アジア市場においては日本車の市場占有率が高いため、日本国内と同様の品質規格設定が望まれており、日本の自動車メーカーも参加して活動しているSAE Fuels and Lubricants Division Steering Committee for ASIAらも、自動車用ディーゼルエンジン油の品質規格の設定が望まれています。

 このような背景から、日本の自動車用ディーゼルエンジンに、より適合するエンジン油の品質規格が、(社)自動車技術会により「自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2000)」として制定されました。これらの性能は、(社)自動車技術会が定めている性能試験法によって評価・判定を行います。

 ディーゼルエンジン油の製造会社や販売会社は自主的に性能試験を行い、規定の要求性能を満たしていることを自らの判断と責任において表示することになりますが、協議会では関係者に対して、協議会が別 に定める「自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2000)の運用マニュアル」に従い、JASO規格を適正に利用するよう働きかけることとしています。

 なお、協議会では「自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2000)」を利用される自動車用ディーゼルエンジン油の販売会社がオイル缶 等に性能分類を表示される場合には、協議会に性能試験結果や代表性状、表示内容等を届出ていただくよう協力を求め、これらを整理保管(オンファイル)し、JASO規格の適正な運用・普及を図るための基礎資料として活用することといたしました。また、ユーザーの混乱を避けるため性能分類表示の様式を定め、これに従って表示するよう働きかけることといたしました。

 届出の受理、オンファイル業務は(社)潤滑油協会に委託し、平成13年1月4日より受付を開始し、平成13年4月1日からオイル缶 等への性能表示が開始されます。

 なお、運用マニュアルの配布は平成12年11月1日から開始し、DH-1に関するホームページの開設(http://www.jalos.or.jp/onfile)は平成12年11月上旬を予定しております。

以上

[報道に当たってのお願い]
上述致しましたように、この度の「自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2000)」の運用は、自己認証制度によるものであり、「JASOエンジン油規格普及促進協議会」が性能認証や表示の許認可を行うものではありません。従って、「登録」、「認定」、「表示許可」等の用語は報道に用いないよう、ご協力をお願い致します。

(注)「JASOエンジン油規格普及促進協議会」は、石油連盟、(社)日本自動車工業会、(社)自動車技術会、(社)日本陸用内燃機関協会、(社)潤滑油協会、(社)日本舟艇工業会の6団体と、添加剤会社で構成されています。

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