JAMA 一般社団法人日本自動車工業会  

自動車生産のしくみ

日本の自動車産業は、500万人以上の人が働く、とても大きな産業です。自動車産業で働く人たちは、クルマによって、社会が便利で快適かいてきになるよう、そして楽しくなるよう、みんなで力を合わせて、いっしょうけんめいに働いています。そして自動車工場では、働く人たちが安全に働けるようにするとともに、周辺の環境かんきょうを守りながら、効率こうりつよく自動車をつくっています。

自動車工場について

イラスト自動車工場の多くは、[1]広い敷地しきちを使える、[2]工場で働ける人が大勢おおぜいいる、[3]電力や材料が手に入れやすい、[4]水上と陸上の交通の便がよい、という場所につくられています。敷地しきち内には、それぞれの工場棟こうじょうとうが分かれて建ち、生産工程こうていの順にならんでいます。食堂やグラウンドなど、働く人のための施設しせつもあります。また、高度な排水処理はいすいしょりシステムをそなえたり、周囲を緑地帯にするなど、周辺の環境かんきょうに気を配っています。

工場で働く人たち

写真生産ラインを効率こうりつよく動かすために、工場で働く人は、昼間と夜間の二交代制にこうたいせいで働いています。工場によりちがいますが、だいたい昼間は朝8時から夕方5時半くらいまで、夜間は夜8時から明け方5時半くらいまで働くのが一般的いっぱんてきです。決められた休けい時間中やトラブルが起きた場合は、一時的にラインを止めますが、完全にラインを止めるのは工場が休みの日だけです。

関連工場について

自動車の部品の数は、細かく分けて数えると2万から3万にもなります。自動車工場は、それらの部品をすべて生産しているわけではありません。関連工場とよばれる、それぞれの専門せんもんの部品工場でつくられ、自動車工場にとどけられます。

ジャスト・イン・タイム方式
関連工場では、自動車工場の生産ペースに合わせて、必要な部品を必要な数だけ、決められた時間に自動車工場へとどけています。これを「ジャスト・イン・タイム方式」といいます。まるで自動車工場の生産ラインが関連工場まで続いているかのようなムダのないしくみです。

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働く環境(かんきょう)の改善(かいぜん)

写真自動車工場では、安全で効率こうりつよく仕事を行うために、さまざまな工夫をしています。たとえば、[1]ドアをはずして車内の部品を取り付ける、[2]ボディの高さを変えて組み付け作業を行うなど、実際じっさいに仕事をしていく中から生まれたアイデアを積極的に取り入れています。また、なるべく人の負担ふたんを軽くする、働く人にやさしい環境かんきょうづくりを進めています。

最新の工場設備(せつび)

工場の設備(せつび)や機械にも、いろいろな技術(ぎじゅつ)が使われているんだね。いろいろな色や型のクルマを同時に大量生産するために、また、働く人の仕事の負担ふたんを軽くするために、コンピュータによる自動化が進んでいます。環境かんきょうを守るための高度なシステムもそなえています。

工場を見守る生産コントロール室

プレスラインから検査けんさラインまで、すべての工程こうていが計画通りに正しく作業が進んでいるか、コンピュータを使い、しっかりチェックしています。

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危険きけんな場所で大活躍だいかつやくの産業ロボット
溶接ようせつ組み立てラインなどの危険きけんできびしい仕事や機械加工などは、人間に代わって産業ロボットが働きます。

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環境かんきょうを守る高度な排水処理はいすいしょりシステム

排水処理はいすいしょりシステムでは、工場排水こうじょうはいすいを何度もろ過し、有害成分を取りのぞきます。においやよごれもほとんどない、魚が住めるくらいにきれいになった水を、近くの川などに流します。

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