欧州、日本、米国の大型車およびエンジンメーカーは、
道路貨物輸送のエネルギー効率を改善するための世界的な政策協力を呼びかける。
ブリュッセル、2009年12月3日- 世界の主要な大型車およびエンジンメーカーは、世界中で統一的に適用される実用的かつ効果的な燃費測定指標、方法論および法規を確立するために、欧州、米国および日本の政策決定者の間で緊密に協力することを強く求めている。
10社を超える世界の商用車メーカー(キャタピラー、カミンズ、ダイムラー、日野、いすゞ、イベコ、マック、マン、三菱ふそう、ナビスター、日産ディーゼル、スカニア、ボルボ、フォルクスワーゲンを含む)の各メーカー首脳が、本日ブリュッセルに集い、業界が直面している様々な好機と課題について議論した。議論は主として気候変動と世界のエネルギー保障に焦点が置かれたが、世界の大気環境に関連する排出基準、燃料品質の改善および再生可能燃料の仕様も取り上げられた。
メーカーは、世界的な政策協力を積極的に推進するとともに、経済的な制約の中でも、実現可能なリードタイムに基づく規制の確立によって、商用車産業の技術的進歩が後押しされるよう、彼らの専門知識を提供することで合意した。ブリュッセルの会合を主催したスカニアの最高責任者でACEA商用車委員会委員長ライフ・オストリング氏は、「我々の産業にとって協調されたグローバルアプローチこそが、道路輸送部門における世界的な燃費改善の達成に貢献し得る最も効果的な方法である」と語った。「我々は世界の市場にサービスを提供する役目があり、地域毎に異なる規制は回避したい。それは多大なコスト負担を課し、技術の進歩を妨げるからである。」
「世界の主要な商用車およびエンジンメーカーは、顧客が燃費を極めて重要視していることを十分認識しており、温室効果ガスの排出削減に向けた世界的な取り組みを支援している。具体的な要件や燃費を評価するための指標および方法論の確立において世界的に協力することが、我々の車両の環境性能を一層向上させ、貨物輸送の効率を高めるために必要な要素である。それは顧客および環境双方の目的を果たすものである」とオストリング氏は付け加えた。
世界の商用車およびエンジンメーカーの最高責任者が、業界にとっての重要課題をグローバルレベルで取り組むために会合するのは、今年で7年目である。会合には欧州自動車工業会(ACEA)、日本自動車工業会(JAMA)、米国エンジン工業会(EMA)および米国トラック工業会(TMA)の代表が出席している。
前回までの会議の成果を引き継いで、各メーカー首脳は大型エンジンおよび大型車に関わる技術基準の国際的な調和がいかにして環境性能、安全、そして効果的な貨物輸送の改善を可能とするのかを議論した。
本会議で取り扱われた主な内容は以下の通りである。
- 日本、米国、EUレベルでの大型車燃費に関する最新の動向。
- 大型ハイブリッド車の世界的な認証方法の確立に向けた進捗。
- 商用車の多様な構造、使い道に即した燃費評価のためのコンピュータシミュレーションの使用。
- 大型エンジン用排出ガス試験の世界技術基準の策定に向けたUN/ECEでの前向きな取り組み状況(WHDCgtr)。
本日の会合の結果、各メーカー首脳は日本で用いられているHILS法をベースとした大型ハイブリッド車の認証手続の確立に向け、OICAを通じてUN/ECEに提案するとともに、この問題を緊急に取り組むことをUN/ECEに働きかけることについて合意した。
さらに、排出ガス要件に関連して、メーカーは今日の車両技術に適した高品質の化石燃料および再生可能燃料を世界的に確保するために、市場燃料に関する法的要件の導入を推奨することで合意した。商用車業界は、本問題の重要性を強調し、建設的な対話が確保されるよう石油業界と協力していく。
各メーカー首脳は、排出ガスに関する調和したエンジン認証手続の確立に向けたUN/ECEにおけるこれまでの前向きな成果を弾みにして、大型車およびエンジンの燃費測定と、空気や転がり抵抗に関連する部品の燃費改善を評価する指標や方法の確立を目標とした、UN/ECEでの取り組みを促進する。
ナビスター社の会長兼CEOのダニエル・ウスティアン氏は、第8回大型車グローバルミーティングを2010年米国に招致した。
本会議に関する詳細は、下記担当者までお問い合わせ下さい。
U S |
Joseph Suchecki EMA/TMA |
+1 312 827 8700 |
欧州 |
Sigrid de Vries ACEA |
+32 2 738 73 45 |
日本 |
Yoshihiro Yano JAMA |
+81 3 5405 6126 |