乗用車用ディーゼルエンジンオイル規格「DL-2」の追加と運用マニュアル改正について

(一社)日本自動車工業会(以下、自工会)と石油連盟は、後処理装置装着車に対応した乗用車用ディーゼルエンジンオイルの新規格「DL-2」を設定する。本規格は乗用車クラス用エンジンオイル「DL-0」、「DL-1」に加えて、欧州ACEA注1 C規格相当の硫酸灰分を規定する規格であり、(公社)自動車技術会より自動車用ディーゼル機関潤滑油規格(JASO注2 M 355:2021)として発行された。また、「DL-2」の追加にともない、自工会、石油連盟等で構成するJASOエンジン油規格普及促進協議会注3は、今般、同規格の運用マニュアルを改正した。

「DL-2」規格化の経緯

DPF及び、NOx還元触媒等の後処理装置を装着したディーゼル車では、油中金属分、リン、イオウ含有量等の化学組成を規定した品質規格が必要となる。このため2005年4月に自動車用ディーゼル機関潤滑油規格(JASO M 355:2005)として、トラック・バス用のDH-2、乗用車クラス用のDL-1が追加された。今回、油中金属分量の指標となる硫酸灰分を低く(0.6%以下)規定したDL-1と区別しつつ,排出ガス後処理装置に適合した欧州ACEA C2,C3,C5規格値の硫酸灰分まで規格値を広げた(0.7%以上、0.8%以下)乗用車クラス用のDL-2を追加し、自動車用ディーゼル機関潤滑油規格(JASO M 355:2021)として改正された。

運用マニュアルの改正

今回の改正により、従来の「DH-1」、「DH-2」、「DH-2F」、「DL-0」、「DL-1」に加えて「DL-2」が追加された。

運用マニュアル本文は、(一社)潤滑油協会のホームページ(http://www.jalos.or.jp/index.html)に掲載する。

注1:
ACEA:European Automobile Manufacturers' Association 欧州自動車工業会
注2:
JASO:Japan Automobile Standard Organization 日本自動車規格。自動車技術会が定める自動車規格。
注3:
JASOエンジン油規格普及促進協議会: 日本の自動車用エンジン油にかかわる各種業界団体および学術団体等が、JASOエンジン油規格の国内外での適正な普及を図るために設立した協議体
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