ニュースリリース
2050年カーボンニュートラル達成に向けた持続可能燃料に関するブラジル自動車工業会(ANFAVEA)との共同ステートメントを発表
一般社団法人日本自動車工業会(会長:片山正則 以下、自工会)は、2025年9月15日に初めて開催される持続可能燃料閣僚会議や11月にブラジルで開催されるCOP30に向けて、ブラジル自動車工業会:Brazilian Association of Automotive Vehicle Manufacturers(会長:Igor Calvet 以下、ANFAVEA)との共同ステートメント「現実に即し好結果をもたらす道路交通セクターの脱炭素化-バイオ燃料を含む持続可能燃料と技術的多様性の戦略的役割-」を発表しました。
バイオ燃料に代表される持続可能燃料は、ハイブリッドシステムや燃料電池などの先進的な駆動技術と組み合わせることで、小型車から大型車まで、あらゆる用途においてクリーンなモビリティへの移行を加速させることが可能です。自工会とANFAVEAは、この多角的な戦略が、各国固有の課題に対処し、有望な技術を一つも取り残さないために不可欠である事を再確認しました。
このため、私たちは、同燃料への適合車両の積極的な導入など、電動化を含む様々な努力を進めていきます。
私たちは世界各国の自動車工業会とともに、共通のゴールである道路交通の脱炭素化の実現に向けた取り組みを、引き続き進めてまいります。
※ステートメント原文はこちら
発表された原文の抄訳は以下の通りです。
***
現実に即し好結果をもたらす道路交通セクターの脱炭素化
– バイオ燃料を含む持続可能燃料と技術的多様性の戦略的役割 –
気候変動という地球規模の課題には、緊急かつ協調的な行動が求められています。2050年までにカーボンニュートラルを達成することは、単なる要請ではなく、あらゆる分野にわたる包括的で科学に基づく解決策を必要とする戦略的目標です。世界中の自動車メーカーにとって、道路交通の脱炭素化は共通のゴールであり、その実現に向けた取り組みを引き続き進めています。
2022年11月、国際自動車工業連合会(OICA)は、道路交通の脱炭素化を支援するための具体的な政策提言を包括的にまとめたポジションペーパー「2050年までのカーボンニュートラル」を発表しました。
OICAのフレームワークが強調するように、すべての国にとって2050年までのカーボンニュートラルに向けた実用的で持続可能な道筋を提供するためには、多様、かつ技術中立的なアプローチによる柔軟性が必要です。そして、カーボンニュートラルを実現するには、新車だけでなく使用中の自動車からもCO2排出を削減する施策を追求しなければなりません。単一の解決策に限定することは、地域の実情、インフラの制約、そして世界中のモビリティシステムの多様なニーズを見落とすリスクを伴います。そのためには、ゼロエミッション車両(電気自動車(EV/BEV)および燃料電池車(FCV/FCEV)等)のように、直接排出されるCO2をゼロにする技術や、カーボンニュートラル燃料に代表されるCO2を削減できて持続可能な燃料を用いる内燃機関車両等、さまざまな技術をアフォーダブルに進歩させ、普及させることが重要です。
2025年9月に日本で初めて開催される持続可能燃料に関する国際閣僚会議や、11月にブラジルで開催されるCOP30に向けて、下記の自動車工業会は、道路交通分野における持続可能燃料の活用による脱炭素化推進の重要性を再確認するとともに、世界レベルでの同燃料の安価で安定した供給の拡大を期待します。
持続可能な液体燃料は、エネルギー密度が高く、エネルギーの輸送・保存に適しており、保有車にも有効で即効性があります。ブラジルでは、アフォーダブルで、環境・経済にも良いバイオ燃料が大量に供給され、高い費用対効果で大幅なCO2排出削減を実現しています。グローバル・サウス地域では、農業政策と連動した持続可能なバイオ燃料の普及拡大が、アフォーダブルなCO2削減の選択肢としてだけでなく、地域の雇用・経済、エネルギーセキュリティにも貢献しています。エネルギー業界に、航空・海運を含む社会全体に利用可能なCN燃料の供給を拡大頂くためにも、使用量が多い道路交通部門が需要を支えていくことが重要と考えます。
バイオ燃料に代表される持続可能燃料は、ハイブリッドシステムや燃料電池などの先進的な駆動技術と組み合わせることで小型車から大型車まで、あらゆる用途においてクリーンなモビリティへの移行を加速させることが可能です。この多角的な戦略は、各国固有の課題に対処し、有望な技術を一つも取り残さないために不可欠であると私たちは考えます。
このため、自動車業界としても同燃料への適合車両の積極的な導入など、電動化を含む様々な努力を進めていきますので、政府におかれては、各地域の事情に即し、エネルギー業界を含めた、適切な政策措置と経済的支援策を提供して頂くことを期待します。
OICAの「2050年までのカーボンニュートラル」については、こちらからご覧いただけます。
支持団体:
ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)
日本自動車工業会(JAMA)
- 注:
- 私たちは、志を同じくする業界団体とのパートナーシップ拡大を歓迎します。ご関心あれば、上記いずれかの団体のウェブサイトにリンクしてください。