平成13年4月4日 
        
 (社)日本自動車工業会 
          (社)日本自動車車体工業会 
         
       
        (社)日本自動車工業会と(社)日本自動車車体工業会は、(社)日本バス協会と共にバス利用者の利便性向上や車両価格の低下等を通じたノンステップバスの普及促進を目的に、今般、既存ノンステップバスの標準仕様を策定した。 
          高齢化社会の進展等を背景に交通バリアフリー化のニーズが高まる中、バス交通においてはノンステップバスの普及促進が期待されている所である。 
          しかし、現在のノンステップバスは、乗降の円滑化が図られるというメリットの一方で、従来型のバス構造をベースとした設計・車両構造であるため、車内の段差・スロープの発生、さらには座席数の減少等利用者の利便性低下や個々のバス事業者からの異なる仕様要求に対応した製造による価格上昇が、その普及への阻害要因となっている現状にある。 
         このため、バス協会内に、自工会・車工会・バス協会・国土交通省・経済産業省・学識経験者からなる「ノンステップバス標準仕様化策定検討会」を設置(平成12年6月)し、ノンステップバスの標準仕様の検討を行ってきた。 
         
        今般策定した既存ノンステップバスの標準仕様の概要は下記の通り。
       
       
         (1)車体構造変更に大きな影響のある項目  
      - 燃料タンクの取り付け位置…………………………左置き 
          
 - 出入口位置……………………………………………前、中扉のみ 
        
  
	  (2)多種類発生している仕様の削減、統一化  
	  - 車室内の色……………………天井はクリーム色、腰板はクリーム色又はグレー色 
        
 - シート配置……………………3パターン 
	     
 - 天井配置………………………室内灯、握棒等の取付位置標準化 
        
  
	   (3)交通バリアフリー法に関する仕様の追加  
      - スロープ板、車いす固定金具、固定ベルト等………標準設定 
          
 - 降車押しボタンの取付位置……………………………車いすスペースに追加
      
  
	     
         なお、当会としては、今般のノンステップバスの標準化は、バリアフリー化に向けた社会づくりを加速することに寄与し、車両のコストを低減できる可能性もあるため、現在のバス事業者毎の仕様からバス事業者が揃ってこの標準車両を採用して頂くことを期待している。 
           また今後は、ノンステップ部分の拡大、段差解消のためのタイヤハウスの縮小等を図り、利便性、安全性を更に向上させるため、基本構造について設計を見直しを行った次世代普及型のノンステップバスの開発を目指すこととしている。このため、平成14年度中を目途に、今回の標準仕様よりさらに基本部品・構造の共通化を図った標準仕様を策定すべく、検討会において引き続き検討を行っていくこととしている。 
           
         
         以 上 
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